カジファブリック
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『ザ・ワイドショー』①
「ロン。タンピンイーペードラドラ。親マンね。」

「マジかよ。またハコりかよ。」

「ふんなやー。手よかったのにさ。みてこれ。倍満だったのに。」


僕は今麻雀をしている。

上チャはマコト、下チャはワタル、トイメンはダイスケ。

いつも同じメンツ。

みんな大学の友人だ。

昼間から大学近く雀荘で打っているってことは、今日も授業をさぼったのだろう。

まぁ、いつものことだ。

誰も気に留める者もいない。

大学に行けばこいつらがいる。

僕とこいつらが出会えば自然とイギリスの兵隊のように足並みが揃う。

誰が提案する訳でもなく。
誰が棄却する訳でもない。
気付いた時にはいくつもの雀荘が点在する駅前の並木通りを歩いている。

「またか」と思う反面、「断る理由もないか」と簡単に肯定してしまう。

もうこんな日々が何ヶ月も続いている。





「夜飯どこで喰う?」

ジダンというマイナーな煙草に火を付けつつダイスケが言った。

夜飯とは言うもののいつもラーメンしか食べない。一昨日がべんてん、その前が純蓮だったから今日は渡なべあたりだろう。
ラーメンしか選択肢がないうえに新店の開拓をしない僕らはレパートリーが少ない。ただ、みんなそれで満足している。きっと。



「純蓮行こうぜ」

「この前行ったじゃん。」

「がんこは?」

「並ぶのだりー」

「どうせ俺の空はスープ切れだしな」

「…」

「…」

「…」

「渡なべかな…」

「だな…」

「だな…、、、ロン!タンピンドライチ!」

「また黙かよ。うぜー。」
「悪いね。」


入店したときレジの奥で流れていたテレフォンショッキングはいつの間にか草野仁の番組に変わっていた。
by live-is-my-life | 2006-02-20 23:43 |